《MUMEI》
first story
まただ。

私の机の上には、花が置いてある。
そして写真も。

黒い縁の写真立てに、私の写真が入っている。

それは、私への“いじめ”。
その一部だ。

いつも置いてあって、捨てても捨てても、いつもある。

まだそれだけなら、いいんだ。

私へのいじめは、クラスメイトからの“暴力”による攻撃ではない。

痛い思いをしなくていい、それはいいんだ。

でも、私の心は、とっくにぼろぼろだ。

クラスメイトは、私を“無視”する。

まるでそこに、私がいないかのように振る舞う。

私を避けて歩いたり、ただ話しかけないのではない。

私が目の前にいても、普通に歩く。
そしてぶつかっても、そのまま何事も無かったように歩く。

私ごとき、ぶつかっても空気と同じような存在ということ。

私に向かって水がかかって、びしょびしょになっていても。
何もないように動く。

私へのいじめは、クラスメイトから、先生へも移っていった。

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