《MUMEI》
「うわっ、マジで?
じゃあなんだ、クオーターとかか?」
「いえ…一応血筋はハーフなんですけど…、父親がドイツ人だったんですけどね、母と結婚する前から日本に帰化してたんで…、
それに俺が小さい頃に離婚してるから…」
この話するの何度目だろうと考える。
いや、何時もじゃ
あんまりノリ気で話してない。
何かね、父親の話はあんまり好きじゃない…
――でも何か今俺、普通に話してる…。
嫌な感じがまるでしない…
何でだろ…。
「ふ〜ん、なるほどな〜、人各々色々あるもんな―……
あ、俺の名前は
伊藤秀幸、宜しくな」
ニコッと笑いながら手を指し延べられた。
俺も自然に右手を伸ばし、握手を交わす。
「はい、宜しくお願いします」
暖かい手の温もり…
何だか凄く安心する
……
俺は伊藤さんを
凄く気に入った!
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫