《MUMEI》
卒業でお話。
普通さ、期待しちゃうよね?最近、良く視線感じて振り向くと、可愛い後輩と目が合うとかさ、んで頬染めて俯く仕種にキュンとしたり…。

そんな良い感じの後輩くんからさ、卒業式後お話が…屋上で待ってます。なぁんて言われちゃったらさ、階段も二個飛ばしなんかして、浮き浮き上がる訳よ!


…やっぱ告られちゃうのかな?先輩好きです!なぁ〜んてさ、で俺で良ければ!なぁ〜んて言っちゃうかぁ?

俺を呼び出したのは、二個下の部活の後輩くん。笑顔が天使みたいに可愛いって評判の子。一部ではエンジェルくんなんて言われてる。俺もその一部なんだけど。


『お待たせ!』

少し格好付けて、大人っぽく振る舞う。

「あっ、先輩。来てくれたんですね、嬉しい」


…おぉ、エンジェルスマイル全開。やっぱカワユス、デレデレ…といかん、格好良い先輩面を保たなければ。


『で、話って何かな?』

白々しく聞いてみる。


「えっ…あ、えっと、その…」

顔を赤くして言い淀どむ。そんなエンジェルくんに、今俺が出来る最高の素敵笑顔で微笑んで見せる。


…そんな緊張しなくても大丈夫だから。さあ、言ってごらん?心の中でそう呟けば、意を決した様にエンジェルくんが顔を上げた。




「先輩!先輩の《乳首》に惚れました!卒業記念に舐めさせて下さい!」




来た来たぁ〜!
『俺で良ければ、喜んで……って、えぇっっ?????』

…ちょ、待て。今、変な単語が入ってなかったか?いやいや、俺の聞き間違いだよな、そんなエンジェルくんが…んな単語を発する訳がないっしょ?



「先輩!嬉しいっっ」

エンジェルくんが思いっきり飛び付き俺を押し倒す!いや、下コンクリートだから、背中痛いんだけど。ゴイン!って言ったよ、背中ゴイン!て…。


『あ、のさ、なんて言ったのかな?もう一回…って、ちょっシャツ捲り上げないでって…』


俺に馬乗りになりシャツを捲り上げ、胸を露にしようとしてるエンジェルくん!

「やだな、先輩!捲り上げないと乳首舐められないでしょ?も〜シャイなんだから(はぁと)」


…はっきり言ったよ、やっぱり聞き間違いじゃなくて…

要するに、卒業記念にボタンとかじゃなくて、乳首舐めたい訳ね…エンジェルくんは、って…


『お前なんかエンジェルくんじゃねー、た、ただの変態くんじゃねーか!…あっ、ひゃっ、な、舐めるなぁぁぁ…』


チュクチュクと、乳首を舐めながら、エンジェルくんが上目遣いでうっとりとした顔で俺を見る。

…うっ、やっぱ可愛いじゃねーか、変態の癖に!この堕天使がぁっ。


『はあっ、やっぱ先輩の乳首サイコーですぅ!ずっと狙ってたんですよ、僕。』

悪びれもせず言うなよ、この変態エンジェル。


「俺の乳首なんて、いつ見たんだよ…はぁ…んっ…ちょっ、吸わないでぇぇっ』

「はむっ、ん?部活中にタンクトップの脇から覗いたり、合宿の大浴場で見てたり?兎に角、理想の乳首だったから…ガン見しちゃったぁ、えへっ(はあと)」


…道理で、部活中に良く視線を感じたはずだよ。見てたのは乳首か、乳首なんかい、おいっ。


『はあっ…』
なんか力が抜けた。


「んにゅ?先輩?」

…だからはむはむしながら喋るな、お前は…。


『俺、馬鹿みたいだな。お前から告られるかもって、嬉しくて昨夜一睡も出来なくて…』

「え?先輩、それって」


…ヤベッ、俺、何告白してんだよ、本当に馬鹿じゃん。エンジェルくんは俺の乳首しか興味ないのにさ。あ、なんか惨めで涙が滲んで来た。


「先輩…」

不意に顔に影が指す。エンジェルくんの顔が迫って来て、優しく唇が重ねられた。

『んっ…ふっ…』


「馬鹿でしょ?先輩。そんなところも好きですよ。」

『嘘つけ!乳首しか好きじゃないくせに。』

笑うエンジェルくんを軽く睨む。

「好きですよ、先輩の事が!乳首込みで…ね!卒業しても、こうして逢って下さいね?」

そう言って、また乳首をペロリと舐める。


乳首だけなのか、本当に俺込みなのか?判断に迷うところだが…まぁ、今はその言葉を信じてみようかなぁ。




*駄文失礼。

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