《MUMEI》

「左之さん、千鶴〜新八っつぁん見なかった?」

夏。今日は近所で夏祭りがあるらしい。

「平助くん?永倉さんは見なかったよ?」

廊下を奥から走ってくる藤堂。反対側から原田と千鶴が歩いてきた。

「祭にでもいく気か?残念ながら新八なら夜の巡察で寝てるぜ。」

近くの部屋を指差す原田。その部屋からは永倉のものらしきいびきが聞こえる。

「寝てるのかよ。左之さん新八っつぁん起こしていくから先に行ってて。」

「なんか俺ら強制参加か?まぁいいか。千鶴、支度してこい。」

「けど……そんなことして怒られるんじゃ………。」

「ちょっとぐらいなら土方さんもおこらねぇって。」

「じゃあ………支度してきます。」

千鶴は自室へと走っていった。

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