《MUMEI》

祭の会場にて。

「なんでこんな時まで男装なんだ?」

不満そうに原田が言う。

「こっちの方に慣れてしまって………。動きやすいですし。」

「はぁ。新八は祭って聞いたら飛び起きると思ったんだが。」

「遅いですね。」

すると通りの向こうから聞きなれた声がした。

「平助くん!永倉さん!」

「新八っつぁんがさ〜なかなか起きてくれなくて。」

「巡察が長引いたんだよ。」

「さぁ、屋台とか見て回りませんか?」

「だな。鬼のやつらもさすがにこんな人混みじゃ襲ってこねぇだろ。」

そして千鶴たちは夜になるまで遊んでいたという。

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