《MUMEI》

「あの時の話覚えてますか?」

遠い異国の地。原田と千鶴は暮らしている。

「あの時?」

「何故戦うのか…………。」

「笑顔を守る為………。その先に笑顔があると信じて……。変か?」

「いえ………立派だなと思って。」

千鶴が微笑む。

「あいつらはどうしてるかな………。」

「元気ですよ。きっと。」

遠い日本で共に戦った同志たちの顔を浮かべながら、どこまでも澄んだ空を見上げていた。

       原田 左之助 編 【完】

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