《MUMEI》

「よかった………全部買えた。」

大きな荷物を抱えて千鶴が安堵する。

「屯所までは連れていかんが大丈夫だろうな。」

「ここからまっすぐですから……多分大丈夫です。」

「最悪大声を出せば番犬共が気づくだろう。」

踵を返すと風間は人混みの中へと消えていった。

千鶴はその後、無事屯所に帰った。

「方向感覚に難有り…………か。」

風間は家に戻ると呟いた。

「方向感覚…………?」

「なんだ?風間が方向音痴………?」

天霧と不知火は首をかしげた。
不知火に関しては笑いが止まらない。

「何故そのような顔をしている………?」

「「(呟いてた自覚無かったのか………!)」」

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