《MUMEI》

「一之瀬君!」







一之瀬君は 私の声にふりむいた





くちがはしる







「明日の夕方六時に、またここで会おう!」








「………ああ。じゃあ、約束な。」








一之瀬君は足を止めて、少してれたふうに戻ってきた






二人で小指を出して、優しく硬くつなげた







「ゆーびきーりげーんまーん」







私は久々の`約束´って響きに




目の奥をあつくした







一之瀬君もそうだといいな、なんて







でも、その熱を知ってるのは ビー玉の中の私たちだけがいいな、なんて





狭い公園のまんなかで 願った

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