《MUMEI》 葛藤真鍋は僕が女だから、わからないとでも思っているんだろうか。 隠してるつもりでも、陽菜を見詰める目、息遣い…それに下半身が反応しているのは、同じ男ならすぐに解る。 「先輩…陽菜を抱いてくれますか?」 真鍋は聞こえていないのか、なにも答えない。 「先輩?」 もう一度呼んでみたけど、真鍋は反応しない。 「先輩!」 「え…っ?」 「陽菜を抱いてくれますか?」 やっと反応した真鍋に、同じ質問をする。 「…どういうこと…?」 「そのままです、陽菜を抱いてくれますか?受け入れてくれますか?」 真鍋が困惑の表情を浮かべた。 「…陽菜ちゃんのことは…受け入れるよ…でも俺には……」 「先輩、興奮してますよね?」 「えっ?」 「痛いくらいに勃ってるんですよね?」 真鍋の顔が、赤くなっていく。 「図星…ですよね?」 「…いや……」 「陽菜の秘密を知って興奮してるってことは受け入れてあげられるってことですよね?なのに、でもって…なんですか?」 「…陽菜ちゃんのことは好きだよ、でも…こういうのって…お互いの気持ちが大事だから…」 僕と陽菜の関係を壊した張本人が、なに綺麗事言ってんだよ…。 「陽菜は先輩を求めてますよ?陽菜は強引に迫られたり、少し乱暴に扱われるのが好きなんです」 「…いや…そんなの…」 「先輩は陽菜の何を知ってるんですか?今だって先輩が陽菜の望んでることをわかってあげないから、こうやって私のとこに来てるのに」 「…ごめん…でも…どうしても信じられなくて…眞季ちゃんを疑ってるわけじゃないんだけど…本当に……陽菜ちゃん本人…なんだよね?」 「陽菜本人だから大丈夫ですよ、抱いてあげてください、陽菜に男を教えてあげてください」 真鍋は苦しそうな顔をして、下唇を噛んだ。 「……ご…ごめ…ん…」 前へ |次へ |
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