《MUMEI》
二人で年越し
あの日、ユズネは泊まったけど
やらせてくれなかったんだ

私を好きなら我慢して
遊びなら、好きにして

くそっ……痛いところを突いてきやがる
ったく

けど、ユズネなりに何かあるんだろうな

俺を試してるのかもしれないな、
ま、いいか、
どのみち、好かれなきゃ先はねーんだし

昔、ふられてるしなぁ

………くそ
女はもういいやって、思ってたのによ

特に、メールも、電話もしなかった

曖昧のまま、二日が過ぎたんだ

……電話してみた

なんか、悔しいな
ユズネから電話もらいたかったのによ

はい

早!、コールしたか?、今

……よう、

驚いて、そんな感じで軽く話し掛けたんだ

おすっ

なんだ、ユズネのこのノリは?

………くそっ、言葉がでねぇ

なぁ、会いたいんだ

うん……今、マンションの前だよ
電話しようとしたら、鳴ったの…

迎えにいくよ

ううん、へーき、オートロック開けて、

わかった

モニターを見ると、ユズネの姿が写ってたんだ

……玄関を開けて待ってた

ユズネがヘレベーターホールから、歩いてくる

おすっ

ん、上がれよ

うん

ブーツを脱ぐ、ユズネ

そっと、後ろから抱きしめたんだ

振り向き、俺を見たユズネが、目を綴じた

やっぺー、可愛い

がっつくな、落ち着け

自分に言い聞かせながら、唇を重ねたんだ

………少し、舌を求めた

ユズネの舌が答えてくれてる

柔らかくて、優しい唇

……髪、切ったのか?

うん、似合うかなぁ?

うん、似合ってる、綺麗だ

…………会いたかったの

俺もだよ

………電話、くれなかったね

……欲しかったんだ

男から、するものよ

そっかぁ

……喧嘩しにきたの

?………

突然、ユズネは、そう言ったんだ



前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫