《MUMEI》

私が舞子ちゃんになにもいわないのはいろいろあるけど





心配させたくない とか





そんなのはたてまえで







本当は 一之瀬君を見せたくないから







話をして 会いたいなんて言われたら





私、応援しなくちゃならなくなってしまう







「そうだ、楓。今日、一緒に帰れる?」





「…ご、ごめん舞子ちゃん。今日もちょっと用事があって」








棒読みにならないよう






一言一句間違えないように騙すのは 喉がじんとした

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