《MUMEI》

「た、ただいま」



おかえりの声はない




廊下をすすむ足はちょっとだけ 震えてて







なんだか逃げているみたい





「ただいま、おかあさん」







男性と一緒にいたおかあさんは一瞬私をみた





「何よ早いじゃない」







そしてすぐにリビングを出ていく







テーブルにご飯は無くて



一之瀬君のお母さんが 少し





うらやましくなった

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