《MUMEI》 あれは一体何だったのだろう? 学校についてからも、黒い窓を背景に浮かび上がっていた白い女の顔が、脳裡にこびりつき離れない。 摩起の聞いた話では・・・・真偽は定かでは無いが・・・・第二次戦後、ヨーロッパ辺りから日本にやって来た外国人の家族が最初に住み着き、謎の失踪をした。 マリーセレスト号のミステリー事件のように、ついさっきまでそこに家族がいた形跡を残したまま・・・・朝食の用意などもテーブル上に並べられたまま・・ ・・だったとゆう。 その後に移り住んだのは日本人の外交官一家だったが、家族の中の者が『この屋敷には幽霊がいる』としきりに訴え、ノイローゼになったため、半年ほどで逃げるように退去した。 三番目に屋敷に来たのは、ごくごく平均的な日本人の家族。 だが長男が発狂して、親兄弟を皆殺しにした。 ・・・・魔女とゆう言葉を最初に漏らしたのは、その長男だった。 『鏡なんだ!鏡の向こうから魔女がやれって、けしかけるんだ。この屋敷は別の世界とつながってる!!』・・・ その後は誰も住み着かず、無人になって十年も経つとゆうのに、取り壊されもせずに残っているのは、屋敷の解体を請け負った工事関係者が、次々と事故に遭ったり不審死をしたりしたために、もはや誰もこの『幽霊屋敷』に関わろうとしなくなったためだとゆう。 そう・・・・誰も住んでいる筈が無い。 幻覚? それとも本当に噂の通り、幽霊か魔女でも、あの屋敷には暮らしているのだろうか ? 前へ |次へ |
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