《MUMEI》
価値観
あの日、ユズネとたくさん話して、
たくさん、セックスした

帰りたくないと、泣いたユズネ
でも、家族とも、話さなくちゃならないから……

ユズネの母親ともからだの関係があるし、姉とも…

俺がしたことだけどさ

ユズネ、逃げない、前向きに立ち向かう、そう言ってたな

なかなか、唇を離せなかった

ケンスケが、私の中に居るから、淋しくないよ、って
中に射精されたまま、シャワーも浴びずに帰ったんだよな

電話代金が、凄いことになりそうだった

だから、スマホの無量通話アプリを使ったんだ

毎日長話し、しちまうんだ…

不思議なことに、俺、苦痛じゃないんだよね
こんなことにも驚いてる自分がいる、
今までは、うざかったのに、そういうのが……

また、週末が来た、
流行る気持ちを押さえて、待ち合わせ場所に向かったんだ

ユズネに部屋鍵は渡してあるけど、
待ち合わせてデートしようと、俺が誘ったんだ

ちょっと贅沢なレストランにでも行こうよって、けど、ユズネは、勿体ないよ、って

お洒落なデートより、節約して、先を見ようって

重たい女とか、言わないでよね

ユズネ、結婚を考えてるんだ
始まったばかりなのに……

不思議と、気分悪くない

今までなら引いてたかな、寝たからってなんだよって

美川さんのときは、意識したけどさ

待ち合わせ場所に居たユズネを見て、驚いた

肩より短く髪を切り、
艶やかな、明るい髪が風に揺れてた

誰もがユズネを見るんじゃないかってぐらい、綺麗で存在感がある

待ち合わせ時刻より、まだ早かったのに、待ってたんだな
残業だった俺を

話題のラーメン屋に、並んで食べたんだ
並んでるときも、指を絡めてた

周りの男がユズネを見てる

……ドキドキするほど、本当に綺麗なんだ
食事のあと、ラブホテルに誘ったんどけど

勿体ないよ、ケンスケの部屋がいいな

少し照れたような顔で、ユズネが言うんだ

大人のオモチャ、買いたかったんだけどね

耳元で、からかうように囁いたんだ

そんなこと、したいの?

俺とは嫌なのかよ

わざと、そう言ったんだよね、そしたら
私、貴方の部屋好きだよ
他の誰も、女、来てない部屋だよね?

仕返しされた

うん、ユズネだけだよ

優しく言ったんだ

……通販でオモチャ買う?
そんなに、したいなら

笑いながら言う、ユズネ

こっちが戸惑うぐらい、普通の声の大きさで話すんだよな

駅の改札なのにさ

聞かれてたよ、周りの人に

クスクス笑うユズネ

電車のなかでも寄り添ってきたんだ
だから、そっと、お尻を撫でたんだ

エッチ、
声に出さずに、ユズネの唇がそう言ってた

そっと、ユズネの腰を抱き寄せた

ユズネ、俺の肩に頭を乗せたんだ

ユズネの髪の匂いがした

とても、落ち着く香りだ



前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫