《MUMEI》
人体実験の続き(4)
背中に羽根がある少年の続き。(4)兄貴視点
*微アダルト有り。

部屋を飛び出した俺は、ある決意を秘めアイツの元へ向かう。

『よう、居るか?』

その部屋の住人、ヨクは、外は夏を迎える季節で汗ばむ陽気だと言うのに、相変わらず頭からスッポリと真っ黒なマントを被り、全身を覆っていた。


『相変わらずだな?』

「ほっとけ。」

俺をフードから覗く瞳の一部で一瞥した。


こいつは、ブローカー仲間のヨク。基本ブローカー同士は、ツルんだりしないんだが、何故かヨクとは、なんだかんだで仲良くしていた。

と言っても、俺が助けられてばかりなんだが…ヒロを拾った時も、相談に乗って貰ったりした。

ヨクは、謎な奴でブローカーなんだが、取引をしてる処を見た事は一度もなかった。何故、そんなこいつが闇市に住んでいるのか?と言うと、噂\では闇市の実力者の愛人らしかった。

確かに、そう噂\される程にフードから覗くヨクの顔は美しかった。



「…で、何があった?ジン。」

ヨクが尋ねた。

『お見通し…か』

「当たり前だ。鏡見て来い。今にも泣きそうな顔をしている」


『羽根の奴に、ヒロを取られちまった。』

「羽根?まさか、お前羽根取引に手を出したのか?」

途端に、ヨクの雰囲気が険しくなる。

「羽根取引は、リスクばかりで、良い結果を聞かないぞ。何故そんな馬鹿をした!」

『そんな事は百も承知だ、ただ成功すれば報酬もデカイ。』

ヨクは、俺を見つめ溜め息を吐く。

「拾ったガキの為か?ヒロとか言った…」

『まあ、な。振られちまったがな…ははっ』


「詳しく話せ、俺に頼みがあるんだろ?ジン。」


俺はヨクに促されるままに、今までの事、そしてこれからの俺の考えてる事を話した。


*****

ヨクは腕組みをしたまま動かない。時折、意味ありげに俺を見る。

「で、俺に二人を助ける手助けを頼みたいと、言うのか?」

『ああ、頼む!ヒロとガキが闇市に追われる事がないようにしたいんだ。アイツらは、こんな処に居るべきじゃない。』


「難しい頼みだな、ヒロはともかく、羽根には膨大な時間と金が動いてるから、闇市が簡単には諦めないぞ。気持ちは変わらないのか?」


『あぁ、覚悟は出来てる。それより、お前への報酬は何が良いんだ?あまり高い物はムリだが。』


…ヨクが、俺を見る。
フードから覗くエメラルドの瞳が、淡い欲を帯びて…。

「報酬は…お前が良い」

…一度で良い、とヨクは静かにそう言った。

ヒロの元へ戻る事が出来ない俺に、もはや断る術はなかった。


*****

『…はっ、っっ…ヨ…ク…』

闇に響く衣擦れの音。目隠しをされた俺は…ヨクに組み敷かれて甘い息を漏らす。

『なんで目隠しを?』

俺の問いに、小さく笑って…

「趣味だ、たまには、こんなのも良いだろ?」

…嘘をついてる、多分本当は、姿を見られるのが嫌なのだろう。それほどに隠すヨクの姿とは一体?…


「こんな時に考え事か?余裕だな、ジン。」

近くでバサリと音がした。それはヨクがマントを脱ぎ捨てた音。その後…熱を帯びた身体が俺を包み込み、衝撃的な熱い痛みが俺を貫いた。



*****

スミマセン、まだ終わりそうにないです。あと少しお付き合い下さると嬉しいです(>_<)

ポチコメありがとうございましたm(__)m

*駄文失礼しました。

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