《MUMEI》
最悪!なあいつ
自殺・・・・?

「あ、あたしが自殺なんてするわけないでしょ!」

あたしは、いきなり掴んできた、男の子の顔をにらみつけた。

「嘘つくな!死にたそうな後ろ姿だったぞ!」

「し、失礼ね!ごめんなさいね!死にたそうな後ろ姿で!」

「ホントだよ。屋上はいったら、自殺志願者がいて」

何このチャラ男!チョーむかつく!!

「ま、自殺じゃないならいーや。じゃな」

あっさりと、ひらひら手を振って男の子はくるっと後ろを振り向いた。

でも、すぐにまたぐりっとこっちを振り向いた。

「あのさ」

「なによ」

「独りで弁当食ってんのかよ」

あたしはギクッとする。

「わ、悪い?!」

「はは、さっみしー」

あたしは顔を真っ赤にする。

「いいじゃない!あたしの勝手でしょ!」

「ふーん・・・」

いきなり、男の子はあたしのお弁当に近づき、ミニハンバーグを一口でパくっと食べてしまった。

「ああっ!!」

「へー、なかなか美味いじゃん。お前、名前は?」

名前を聞かれて、あたしはドキッとした。

「か、皆原まつりよ」

「オレは川島夏生。よろしくな、まつり」

と言って、いきなりあたしの頭を掴んできた。

迫力があって、あたしはひいっ・・・と後ろにひいた。

「さっそくだけど、明日から、オレの弁当も作ってこいよ」

「はああああああ???!!!」

「もう頼んだからな。じゃーな」

夏生君は、軽やかに屋上から出て行った。




続く

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