《MUMEI》
彼女?!?!
誰が・・・!誰があんな奴のお弁当作らなきゃいけないのよ!!

あたしは朝、自分のお弁当を作りながら怒りの頂点に達していた。

昨日であった川島 夏生。金髪でワルでチャラ男。最悪!

「あんな奴、絶対友達になんてなりたくない」

口に出すほど、あたしは心底あの男が大っっっ嫌いだった。

だから、あんな男(名前を言うのも嫌)のお弁当は作らない!



その日の朝、あたしはいつもと同じようにひっそりと教室に入った。

あの男は、この教室にいないだろうか。

きょろきょろとまわりを見ると、そこには、

「川島夏生!!!」

あたしの大声に、クラス中が驚いた。

川島夏生も、くるっとこちらを振り向いて、笑顔を向けた。

「おっはー、まつり。今日弁当作ってきたか?」

「つ、作るわけないでしょ!!」

あたしが怒ると、そいつのまわりの男子が、ニヤニヤと笑った。

「何だ夏生、彼女か?あんなダサダサ気が強い女子」

「んなわけねーじゃん。夏生だったらもっと美女を選ぶだろ」

女子はあたしをかたまってにらみつけてる。「何アイツ」みたいな。

「おう、みんな、今日からまつりはオレの彼女。手出ししたらゆるさねーゼ?」

あたしどころか、クラス全員が驚愕した。

「だ、誰があんたなんかと・・・!」

「な、まつり?」

振り向いた夏生の顔は、「断ったら殺す」みたいな雰囲気を醸し出していた。

「よ、よろしくお願いします・・・」

「おし、じゃ、これからオレたちはカレカノだから、口出しも手出しも駄目だ。わかってんな?女子」

女子は、怖い顔を一変して、にこーーっと笑った。

「もちろん!おめでとう、夏生!」

目じりを下げてかわいこぶってるけど、絶対みんな性格悪いって!!!

あたしが夏生をみると、夏生は満面の笑みをうかべ、あたしを見ていた。



続く

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫