《MUMEI》
告白
「先輩のことが好きです」そんなこと言われるのは初めてだった。相手の子は性格も良さそうで、顔立ちも整っている。正直、断る理由なんてどこにもなかった。
でも…
「俺は君のことを知らない。だからといって、君のことを知りたいとも思わない。」
彼女は少し驚いた顔をしていた。まぁ…当然だろうな、好きな相手にこんなこと言われて、ショックを受けない奴なんていない。俺なら泣いて逃げ去って行くよ……。最低とか言われるのかな。
「私は先輩に知ってもらいたいです。どれだけ先輩が私に無関心でも知ってもらいたい。私は本気で先輩のことが好きなんです。だから…ちゃんと先輩の本心を聞かせてください。あんな言葉だけじゃ諦め切れません。」
「本心?君の言ってる意味が分からないよ?俺は君を知りたいと思わないって言ったはずだし、これが本心だ。でも、これじゃ君が納得いかないと言うのならはっきりに言う」
「君とは付き合わない。ううん、君だけじゃない、他の子に言われたって付き合ったりしない。」
「これが…これが俺の本心だ」

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