《MUMEI》
三択目
――――――――――午前3時。

「きょーすけ君、私たち、寝るわね。くれぐれも、脱出するなんてこと、考えないこと♪」

ミーシャは3人を引き連れて、俺を閉じ込めた織りのある部屋をあとにした。


―――――やっと帰ったか。


しかし、だいぶ待ったな。

まさか3時までここにいるなんてな。

しかも、その間の時間は将棋にオセロ、チェス…ここはテーブルゲームクラブか?なんて。


よし、作戦を実行することにした。

もう、おわかりだろうが、俺の考えていることは、“第三択目を作り、実行する”ことだ。

そう。俺の考えた三択目は―――――――脱出すること。


といっても、俺だけの力で脱出することは――――できないだろう。きっと。

だから、たまたま俺のジャケットに入っていた端末をマナーモードにして、梓にかけ、助けてもらおうという魂胆だ。

――――本当は、頼ってばっかじゃ、ダメなんだろうけど―――――




俺は、端末をそっと開き、マナーモードにした。

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