《MUMEI》 人体実験の続き(7)背中に羽根のある少年の続き(7) 「ただいま、ジン。」 未だ眠り続けるジンへ声をかけるヨク。 「お前の大切なヒロに会って来た。アイツは欲張りだな、お前も羽根も手離さないんだぜ?」 ジンの頬から顎のラインに手を滑らせ、愛しそうに見詰める。 「俺も、こんな身体じゃなかったら…お前を諦めたりしないのにな。あぁ、でもこんな身体じゃなきゃお前と出逢えなかったか。」 寂しげに呟き、今度はジンの唇へと深い口付けを落とした。 「待ってろよ、お前の門出にデッカイ花火を打ち上げてやるよ!」 意味深なヨクの呟きは、眠るジンには届かず、深い闇に溶けて消えていった。 ***** ヨクと約束した時刻。ヒロと羽根のある少年は、港へと無事に辿り着く。 「お前、ヒロか?」 暗闇から声を掛けられ、中型の船の船内へと案内される。 「ここに隠れている様に、とヨクからの伝言だ」 コクリと頷き、少年と二人で小さな部屋の床に腰を降ろした。 ***** −−同時刻−− ヨクは、車を走らせていた。三体の人間擬きを乗せて……。 闇市との羽根取引場所で車を止め、マントのフードを深く被り顔を隠し、車から降りた。 『ブローカーのジンか?』 暫く待っていると、暗闇から数人の黒服の男達が現れ、質問される。 「そうだ」 相手からの問いに答えれば、動く気配がした。 …さあ来い!ギリギリまで引き付けて…このボタンを押してやるよ! カツカツと近付いて来る足音を聞きながら、ヨクは曇のせいで闇夜の空を仰ぎ見る。 …ジン!幸せになれよ。 射程距離を確認し、ヨクは静かに眼を閉じて… 《カチリ》 直後爆音と共に上がる火柱。それは……男達、人間擬き、車、そしてヨクを飲み込み、暗い夜空を赤く染め上げていった。 ***** ヒロは、異変に気付く。さっきから、身体が揺れている。まさか…慌てて部屋の窓から外を見る。 暗闇に光る湾岸が、遠ざかっている。 『船が出港している?何故!兄貴がまだ来ないのに…』 「ヒーロ、ヒロ…コッチ…」 焦るヒロに、少年が部屋の奥で、何かを見付けたのか、頻りにヒロを呼ぶ。 衝立で間仕切りした奥の空間には、ベッドがあり… 「アニキ…ネ…テル?」 少年の言葉通り、そこにはジンが眠っていた。 ***** 書くの遅くてスミマセン。で、中途半端(>_<) 次こそラストにしよう。うん、そうしよう。 ポチやコメありがとうございます。他のお題にもありがとうございましたm(__)m 駄文失礼しました。 前へ |次へ |
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