《MUMEI》

   パシャ……



弾ける水と共にフラッシュが散る。


「…………南……」
カメラ持ってるし。


「お構いなく、続けて続けて。」
いつからいたんだ……。気がつけば濡れ鼠だし、続けられるか!



「それ、後でお金払うから現像して。」


「七生!」
欲しがるな!

ああ、南にまで見られてしまった……。というより、こういう同性についてのことに皆、耐性つきすぎやしないか?






「始めて見たホモのカップル!」
南はなんか嬉しそうだし……!


「違うから、二郎が好きなだけだから!」
そういうのきっぱり言い張られると、改めて照れてしまう。



「でも木下も内館も自分が男だって自覚してる上で好きなんだろ、そういうのはホモ言うんじゃないの?」


「……そ、そうなん?」
七生が難しい顔で聞いてきた。
俺に答えを求められても困る……。


「さ、さぁ?」
一般的に見たらそうなのか…………でも、七生が好きなのは事実だし、七生となら、白い目で見られてもなじられてもいい。



……とか、俺は恥ずかしくて、面と向かって口に出せない子供だけど許してな……。

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