《MUMEI》
共通の敵
遅咲きの桜を見に行ったんだ

マサカズ達と一緒にね

ユズネ、普通にマサカズと話してる、
俺もイズミと普通に話してるけど、
………思い出さないのかなぁ?

よこしまな俺は、ふと、イズミとのことを、思い出したりしちまうんだよな

軽く飲んだ後の、夜桜見物
マサカズの隣にユズネが居た
携帯電話の話をしてるみたいだった

マサカズは、コンピュータープログラマーだから、
そう言うのに詳しいんだよね

俺はイズミと、映画の話をしてたんだ

くすっ、ねぇ、嫉妬する?

イズミが俺の腕に、腕を絡めて振り向き、マサカズとユズネに言ったんだよね

マサカズは、笑ってたけどイズミは

ムカつくわね、ねぇマサカズあっち行きましょう、
やきもきさせてあげるわ

そう言って、ユズネがマサカズの手を握り、歩いていったんだ

困った顔のマサカズだったけど、

なによ、鼻の下伸ばして

イズミが呟いたのがわかるよ、
少し嬉しそうにも見えたもんな

ねぇ、何かあるかな?

ん、何かって?

心配じゃないの、ユズネのこと

マサカズだろ、無理矢理はねーよ、
何かあったとしたら、ユズネの意思もあるんだろうさ

………余裕なの?

まさかぁ、嫉妬を楽しむよ、
乳ぐらい触られてるかもな

………そう、じゃぁ、くっつけてあげるね、胸

お、おい、止せって

くすっ、不思議ね、
今でも嫌いじゃないの

………ユズネもそうたろうな、
嫌う必要もねーさ

うん、そう思うわ
私はマサカズと生きてくの、一緒の歩幅で

良かったな、良い奴と出会えて

うん

そんな会話をしてたとき、イズミが呼び止められたんだ

社長

久しぶりだね、イズミ、
どうして電話に出てくれないのかな?
彼氏かい?

イズミが社長と呼んだ男は、
派手で、恰幅の良い50代ぐらいのオールバックの男だったんだ

連れが居た、もうひとり、脂ぎった中年と、若い男が二人

話があるんだよ、イズミ、ちょっと良いかな?

お断りします、綺麗に事務所は辞めてるはずです

そう言うなよ、君ちょっと先に帰ってくれないかな

万冊を俺に渡そうとしてやがったんだ

その手を払い除けた

無礼だな

どっちがだ?!

……方、勝ち気だね、
ここは人目がある、面かしてもらうぜ、兄ちゃん

あからさまに態度を買えたオールバックのオッサンだったんだよね



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