《MUMEI》
保険
「なんなんだよッ!そんなに俺に入ってほしいんかよ!!」

明智に首根っこ掴まれ、なんと明智は片腕で俺を持ち、中にぶら下げて遊んでいる。
明智はどんな表情をしているかは分からないが、後ろからイヒヒ、イヒヒという不気味な声が聞こえてくるのがわかった。
俺はサァー…と青くなってやい!下ろせー!と足をバタつかせ暴れたが、明智はびくともせずに笑い続けた。むしろもっと笑われた気がした。

「きょーちゃんやっぱりタイプだわー♪可愛い♪」

暴れている俺に向かって不気味な低い声で呟く。

「ミーシャ、お腹マックロクロスケ」

恭介は暴れ疲れて、ぐったりした。
視線をミーシャに移動し、キッと睨みながら何が狙いだ、と言い放った。

「そうねぇ…私はレアスキルハンター…とでも呼んでほしいわね。ま、意味はそのまんま」

「それで俺をn「でーも」

ミーシャは恭介の唇に人差し指を当てると、

「きょーちゃんを狙った理由は、もう一つあるのよ」

ミーシャはまた箱の上に腰をかけると、

「私が“木佐森恭介”を欲する理由は……“保険”を取得しておくため…とでも言っておきましょうか」

「保険?」

「そ。私たちはこのゲームの新の目的や、これからこのゲームでなにが起こるかもある程度知ってるわ。
 それに、貴方の妹がかかわってくるのよ。ま、言えるのはここまでだけどねー」

「なんで俺の妹がかかわんなきゃいけないんだよッ!!教えろよッ!!」

「じゃあチームに入ることねー。“保険”にするには、“人質”じゃだめだもの」

「くッ…」

やっぱり、杏があんな目にあったのは偶然じゃなかった、意図的に仕掛けられたものだったんだ―――
なんで、杏になってしまったんだ?
保険?人質?意味わかんねーよ…

「杏がそんなにわるいことしたってのかよぉッ!!!」

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