《MUMEI》 「行っちゃったけど、いいの?」 「あぁ。そんな事より、準備が済んだのなら、さっさと質問の答えを言おう。」 機械をざっと弄りながら、目も合わせずにそう言った。 少し早口な気もして、どんどん謎は増えていくばかりだ。 「質問の答えは、簡単に言えば君のお兄さんが僕に似ていたからだ。仕草や脳内に描く事が、非常に近い気質で出来ていると思った。以上だ。」 「でも……!」 喉まで出掛けた声は、矢吹の人差し指が唇に触れた瞬間、意図も簡単に防がれた。 「それ以上の質問は受け付けない約束だ。」 にこりと口許は緩んでいるように目には映るが、矢吹の瞳は正直だ。 真っ直ぐに私を見つめ`黙れ´と警告している。 「わ…分ふぁった。」 思わず噛んだが、矢吹は何も言わずにまたお調子者のオーラを纏った。 「さて、準備は整った。このボタンを押して君が深く目を閉じ、ミリオンヘイムオンラインを想像すれば、戦争は始まる。」 前へ |次へ |
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