《MUMEI》

「…すきだよ」


絞り出すように言う君。


お互い向き合ってるのに、思わず視線を反らしてしまった。


今、君がどんな顔をしてその言葉を言っているのかを見るのが怖かった。



「なぁ」



今度は君が問いかけてくる番。


あたし、まだまだ怖くて顔を上げることができなかった。


それと同時に込み上げてくる涙。


嬉しい涙なんかじゃない。


なんか、嫌な予感がするの。

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