《MUMEI》 「じゃあ、言うよ。思ってること全部言うよ」 あたしは、自分で乱暴に涙を拭いながら君を睨む。 なんだか、かっこ悪い。 まるで駄々っ子みたい。 でも、今は言ってしまわないと気が収まらない。 「どうして、最近、何も喋ってくれないの? 仕方なく毎日一緒に帰ってくれてるの? あたしと一緒にいるのが苦痛? だから、何も喋ってくれないの? あたしと一緒にいて楽しい?」 あたしの言葉も涙もとめどなく出てくる。 そして、君は困ったような少し悲しいような表情でこう言った。 「…別れたいの?」 「違う。そうじゃない!ただ…」 言葉の途中で、あたしの涙が邪魔をする。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |