《MUMEI》
シン
「三神さん、シンになる気はない?」

休み時間、秋穂の言ってきた言葉。

「・・・・へ?」

この少女は頭がおしまいなのか。それともちゃんとした意味を持って話しているのか。

「意味分かんないかあ。あのね、三神さん、あ、芹華って呼んでもいい?」

「い、いいけど・・・」

それから秋穂は、芹華に”シン”というものの説明を始めた。

「この世界にはね、裏があるの。世界の裏の名前はパラレル。そのパラレルには、”二丸”(にまる)と呼ばれるモンスターがいるの。そのモンスター
 を倒す役割をしているのがシン。シンは、大体この地域にしかいないわ。で、才能のある人だけを、シンが誘って、シンになってもらうの。最初はけっこう
 抵抗あるけど、倒さないと人間の住む世界に入ってきて、いたずらをするようになる。そうならないために、シンが二丸を倒して、幸せな世の中を
 作るのよ」

芹華はうなずきながらきいていたけど、本気で秋穂が心配になってきた。

「秋穂ちゃん、大丈夫・・・?」

芹華が秋穂に聞くと、秋穂はため息をついた。

「はあ・・・やっぱ信じないよね。そうだよね。よし、放課後サカエ会に来て!」

「サカエ会?」

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