《MUMEI》
溢れ出る気持ち
  〜香奈視点〜


汚い聞き方しちゃった。

「翔はまだ

私のこと好き??」


もし、もう好きじゃないって言われても

引き返すことが出来るように・・・。


昨日、伝わるまで

伝えるって決めたのに・・・

翔を目の前にすると

勇気が出なかった。

本当に意気地なしだな・・・

返ってきた答えは

「・・・好きだよ。」

私は、少しホッとして

「じゃあ、付き合お?」っと言った。


でも、次に返ってきた答えは



「ごめん・・・。」だった。

汚い聞き方したから

バチが当たっちゃったのかも・・・。


私は、その返事を

受け止めることができず

茫然としていると

翔が私の手を離して

翔を抱きしめる私の手を

ほどき、こちらを向いた。

そして、切ない顔をして言った。


「香奈がそう言ってくれるのは

嬉しいけど

俺いつまででも

待つから・・・。

優斗のこと忘れてからでいいよ。

そんな中途半端な気持ちのまま

付き合って傷つくのは


香奈だから。」


優斗を忘れてから・・・?

中途半端な気持ち・・・?

やっぱり翔は

私が翔のこと好きなんて

簡単には

信じてくれないか・・・。


でも翔は

こんなにも私のことを

考えてくれてるんだ・・・。

って思ったら


やっぱり私の気持ち全てを伝えたいって思った。


昨日の気持ちが

蘇ってきた。


伝わるまで伝えればいい。

私は「翔・・・?

私、確かに

最近まで優斗のこと好きだったよ。

でもね、最近ふと浮かぶ顔は




翔の顔だよ!


私、翔のことが



好きなの・・・!!

中途半端な気持ちなんかじゃないよ。

翔が・・・、好き。」っと言った。


私の目からは

涙が溢れていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫