《MUMEI》
許してあげる
「それは…陽菜を受け入れられないってことですか?」

真鍋に聞いてみた。
困ったように…、悲しむように…。

「そうじゃない…そうじゃないけど……ごめん…少し…考えさせて欲しいんだ…」



考えさせて欲しい、か…。
何を考えんだよ。



「ごめん…今日は…帰るよ…なんか、いろいろ…ほんと、ごめん」

真鍋は無理矢理作ったような笑顔を僕に向け、僕の家をあとにした。




可哀想な陽菜。
陽菜の大切な人は、陽菜の本当の姿を認めてくれなかったよ。



陽菜の足を指先で撫でる。

「んぁ…っ、眞、季…眞…季っ」

そのまま太股、腰、脇腹へと指を滑らせ、僕は思いきり乳房を掴んだ。

「ぅあッ!?」

それまでピクピクと、小さな反応をしていた陽菜の体が、ビクンッと大きな反応に変わった。
乳房を掴んだ手に、徐々に力を入れていく。

「ゃ…あ…う、い…いあぁぁあぁッ!!!」

力が限界に達すると、歯を食いしばって耐えていた陽菜の声が、叫び声に変わった。

「ごめっ、ごめんなさっ…ぃ、ごめんなさいぃぃぃ!!!!!!」

陽菜は体を痙攣させ、叫びながら謝ったけど、一体何に謝っているのかわからない。
僕は乳房を掴んだ手を離し、ヘッドフォンを外した。

「何に謝ってるの?」

タオルで目が隠れているから、どこを見ているのかわからないけど、陽菜は耳で僕を捜しているように見えた。

「陽菜?何に謝ってるの?」

「…も…、もう…イキた、くな……イキたく、ないっ、ゆ…ゆる…ひ…」

「そう…いっぱいイッたんだね」



胸を潰されるくらいの力で握られたのに、イキたくないなんて言葉が出てくるなんて…。



陽菜の視界を遮っていたタオルを外すと、助けを求めるような目で僕を見た。


あの日…、佐伯に髪を掴まれた陽菜を見たときと、同じ感覚が僕を支配する。


「大丈夫、許してあげるよ」

電気マッサージ機の電源を切り、手錠を外してあげた。

「ぅ…うわぁぁぁああぁぁっ!!」

途端に陽菜が僕の腕に抱き付いて、子供みたいに泣きじゃくった。

「も…やだ…っ、怖いのやだぁぁ」

「陽菜、えらかったね、よく頑張ったね」

泣きじゃくる陽菜の頭を撫でながら、右手でお尻に付いたままの尻尾を掴んだ。

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