《MUMEI》

「それと名前…アカネでいい。同い年位だろ?多分。」

「私は十六よ。」

アカネは予想通り同い年だったらしく、それ以上何も言って来なかった。

そんな様子を伺いながら、いつ自己紹介をすればいいのかと機会を狙っていると同時に二人に見つめられた。

意識もせずに言葉を列ねた。

「あ、えと…俺、カケル。年は十六。」

相変わらずしどろもどろで気の利いた事も言えず、少しの沈黙。

「…ところで、お前らは広場に行かないのか?」

「広場に何かあるの?」

ハルが即座に聞き返すと、アカネは目を丸くした。

「知らないの?今、広場に行くとアイテムが売ってるんだって。しかもあるのはこのオリガルトだけ。」

「どんなアイテムなのよ。」

「街内アナウンスじゃ`痛覚麻痺回復アイテム´だとか。」


「痛覚麻痺回復アイテム?」


思わず水を差すような言葉を溢してしまった。俺の突然の真顔に、二人とも唖然としていた。

それでも俺は、アカネに詰め寄った。

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