《MUMEI》

インターホンを押すと、マサカズがドアを開けたんだ

ただいま

イズミの言葉に

お帰り

マサカズが言ったんだ

そのマサカズの後ろにユズネが居た

迎えに来たよ

俺の言葉に

……うん

小さく頷いたユズネ

マサカズが、何か言おうとしてた

話は、またにしようよ

ユズネがそう言って、止めたんだ

帰ろう、ユズネ

うん……

言葉も少なく、マサカズの部屋を後にしたんだ

エレベーターでユズネの、手を握ったんだ

ユズネが、握り返してきた

……何か話そうとしたユズネを征して

あのとき、こうしてればよかったよ

そう言った俺に

…………ううん、じゅうぶんよ

そう答えたユズネ

部屋に入るとき、精子の臭いかした気がしたんだ……

珈琲飲みたいなぁ

ユズネが呟くように言ったんだ

座ってて、入れるよ

うん

ユズネが小さな声で、頷いたんだ



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