《MUMEI》

黙ってたんだ、ユズネから視線を外して

どうして、何も言ってくれないの?

……何で、嘘をついたのかわからないからだ

………ケンスケを、試してるの

試す?

お願い、私のワガママに付き合って

………嘘があるとしたら、パンツ脱いだんだろうな

どうして、そう思うの?

ユズネが普通に迫ったなら、マサカズは何もしそうにねーしさ…
わかんねーけど、何か強い切っ掛けがあれば、そうゆうことすると思うし
そのきっかけはって考えるとよ

………今、考えたの?

いや、エレベーターの中で思ったよ

……ケンスケ……ありがとう
わたし、わたし……

ユズネが好きなんだ
だから、わかるのかもしれない…

ハッキリ話させて!

いいよ

イジケないで……
聞いて…

今聞いたら、襲っちまいそうだからよ

……私を?、イズミを?

ユズネをだよ

……パンツ脱いで見せたの

話すなよ

顔に押し付けたわ、ケンスケの精液が滴ってるのを
マサカズね、それを舐めたのよ
私の匂いを懐かしいって、
ケンスケの臭いもするって……
ヤりたいけど、出来ないって
ケンスケの話をしながらそうなったのよ
……入れたかったはずよね、
凄く勃起してたもん

舐めたの?

イズミの言葉に

話さないでって、お願いしたの
ケンスケを、確かめたかったから、だから、わざと…………臭いを残して、ケンスケに、迎えに来てもらったの…

今更何を確かめるの?

……犯されてるのよ、くだらない男たちの精液まみれにされたのよ…
髪も、顔も、膣もアナルも!
アナルなんて初めてだった!
悔しくて死にたくて………
………ふと、思い出して、ケンスケから離れたくなるときがあるの
…………申し訳なくて……
ううん、自分が嫌になってよね…

わかるよ、ユズネ
マサカズなら言えるでしょ?
私が側に居てあげてるのよって……
私も、ケンスケになら、言えるもの
本当に、全身全霊で惚れたら……弱気になるのよ…

それは、男も同じだぜ
惚れた女には勝てないって思うしよ…

ケンスケ、女の子はね、悲劇のヒロインになりたがるものなのよ
逃げ場所の中でも、少しでも美しくってね……ユズネを責めないで
愛してるなら、ソレすら包んで!

イズミ?……

悲劇のヒロイン演じてたんだ、
ケンスケの、前で
私と生きる覚悟がないから、優しい言葉を言えたのよ
そして、頑張れって励ませたのよ
けど、その、言葉は軽くはなかったわ
………嘘でもないと感じたわ
自分よりは大切じゃなかったってだけで、愛されたんだよ、わたし
ケンスケは、私になにもしなかったわ、
マサカズを責めたりしない
けど、仕打ちはするわね…
セックスは、ケンスケの方が感じたわ、
身体だけならケンスケの勝ちよ、
思い出しただけで濡れるわ
今でもかなり好きよ、けど、一緒に生きてったら、私がダメになる
甘えることばかり考えて、頼ってしまうだけ
それは、夫婦じゃないわ

同じね、私がマサカズと、生きてったら
世間並の幸せな暮らしは出来たと思うわ、
けど、マサカズが、ダメになるね
仮面夫婦になって、年老いてくと思うわ

強い確信が持てたの?

うん………飲めたから

そう………



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