《MUMEI》
鬼との出会い
「………で、当てはあるの?兄さん。」

小さな村に着いたとき、ゼクスが聞いてきた。

「……………ここから北へ行った樹海が怪しい。」

「兄さんの嗅覚すごいもんね〜♪……痛っ!」

レクスが思いっきり頭を殴っているところに赤い髪の少女が歩み寄ってきた。

「貴様ら、赤い石を探しに行くのだろう?なら、妾も連れていけ。」

「「え?」」

「誰かが石を見つければ、我ら三人の願いを叶えろ、と願えばよい。その為なら、妾も努力は惜しまんぞ。」

手には赤い鎌。その妖艶な雰囲気は容姿に似合わない。

「別に構わないが………。アンタは?」

「鬼族のミツキだ。よろしく頼む。」

「ウルフのレクス。コイツが弟のゼクスだ。」

「北が怪しいのなら、善は急げだが……貴様らこの町に着いたばかりだな?」

ミツキはため息をつくと

「今宵は休もう。明日は早いぞ?」

『『鬼だ………!』』

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