《MUMEI》
原田美和子
洋平は言われるままに、その画面を覗き込んだ。


「あっ!!」


そこに写っていたのは、確かに見覚えのある姿をした女性。


「こんな感じだったかも。」


全てがソックリという訳では無いが、所々類似している箇所がある。


「何でこんな記事に…?」

しかし、何故その女性が記事になっているのかが分からなかった。


洋平は、じっとその画面を眺める。

パソコンとの間に、司を挟んでいる為見え難くく、目を細めてみた。


「マジかよ…。」


しかしその文字だけは、はっきり見て取れたのだ。


記事の見出しに書かれた文字。



『アパートの住人、バラバラ死体で発見!!』



その死体というのが、どうやらこの女性の事のようだった。




「じ、じゃあ…俺が見たのは……?」


洋平は怖々と司の意見を求める。


否定して欲しかったのだ。
この恐ろしい現実を…


しかし現実はそうもいかない。


「あぁ。お前が見たのは、間違いなくこの事件の被害者、原田美和子だろう…。」

「そんな…っ!!。」



司の一言に、気が遠退いていく。



その時だった。




『ぎゃあぁぁぁっ!!』


―!!!?―


目を覚ました美樹と優香の凄まじい叫び声が、部屋中に響き渡ったのだ。

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