《MUMEI》
深淵からの来訪者
「起きろ!!」

翌朝。時計には[A.M. 4:00]の文字。

「早いな………。」

「おはよ〜ってまだ4時!?」

三人は村の旅館で休んでいた。
一人別の部屋で寝ていたミツキが起こしに来たのだ。

「地下に住むデーモン族がこの辺りをうろついているそうだ。」

デーモン族というのは数千年前に地上から姿を消した種族だ。
容姿は人間と変わりない。
ただ、一つ[生物の死を意のままにできる]という事を除けば。

「石を狙って、か。」

「あぁ、多分な。一刻の猶予も無い。急ぐぞ。」

それだけ言うとミツキは踵を返した。

* * * * * * *

北の樹海で。

太陽の光が当たらない地下都市に住むデーモン族。
彼らは地上に住む種族に疎まれ、石の力により太陽の光で朽ちる体にされた。

再び地上で暮らすことを願い、特種な衣装を身に纏って地下から出てきた青年・カルマ。

「雑魚に用は無い…………。」

身の丈ほどある剣で、樹海に生息する魔物を斬り倒す。

彼が立ち去った後
そこに残されたのは、無数の魔物の死骸と、

【報復】を意味する血で書かれたデーモン族の文字だけだった。

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