《MUMEI》

なに!、ソイツ!
わざわざケンスケを威嚇しに行ったの?
家庭教師って、大人だったんでしょ?!

恐かったんじゃないかしら、
私が離れてくかもって、
同い年の方が、話も合うしね、
ケンスケはソコソコ女子から人気もあったし、
私はガキ臭い同世代なんて考えられなかったんだ
汗臭いスポーツマンなんて…
なに一生懸命になって努力なんかしてるのって……バカにしてた、
頑張ってる人のことを……蔑んでたから…

努力か……より上にって思ったら、何かを犠牲にしなくちゃならないもんね……
チャラチャラ遊んでたら、頂点は無いもんね
だからかな?
私にガンバれって言ってくれた言葉ね、
とても重く感じれたの

きっと、そうだと思うよ
でも、その反動で女遊びするようになったのかなって

そうかもね、
私も食われた身だけど、
………あんなに食べられ方しちゃったら、
女の負けだもんね…
正直ね、優しさに餓えてたし、
男にも餓えてたんだ…
メチャクチャえっちしたかったの…

イズミ、マサカズに伝えるように話してる?
そんな気がしたんだ

マサカズもね、私との関係が終わった後、
私を蔑んだんだよ

ユズネがマサカズを見て言ったんだ

そうしなきゃ、悔しくて……
ユズネを見下せば楽になれる、
僕が捨てた女と仲良くしてろよって……
僕はその女を使いきったんだ、
さんざんヤったんだ、
負けてない、捨てたんだ……そう、思いたかったんだ

マサカズが話したんだ

女もそうよ、昔の男なんて、なんであんなのと付き合ってたのかしら、
もう、用は無いわ
そう思うもの
そうすれば、新しい男に、悪くない…
みんな、普通はそうよ

ユズネの言葉に

私は話したわ、忘れられない男が居るって、
人生のパートナーにはならない男、
でも、私は…忘れない
その男が幸せで居てくれたら嬉しいとさえ、思うって、マサカズに話したわ、
けど、偶然会って
なに?、私達は捨てられた者同士のカップル?!………そんな風に思ったら、ケンスケを否定したくなったの…

イズミが話したんだ

ケンスケ、貴方はどんな事を考えながら女遊びしたの?

ユズネが聞いてきたんだ

色々かな、
見下してる女も居るさ

聞かせて
詳しく聞かせてよ

イズミが言ったんだ

何人ぐらいとしてるんだい?

ん、思い出してみっかな

マサカズの質問に、そう答えたんだ



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