《MUMEI》

輝く装飾品に、きらびやかな壁。下には豪華なじゅうたんがしかれていた。

「サカエばーちゃん、でっかい会社やっててさ。お金がありあまってるんだと」

「へー」

社長なんだ・・・。

芹華が感心していると、いきなりガシっと肩をつかまれた。

「ひいっっ!!」

思わず声をあげてびっくりすると、そこにはさっきまで怖い顔だったサカエばーちゃんが。

「もー、サカエばーちゃん、芹華をびっくりさせないでよ。ただでさえ怖い顔なんだから」

秋穂が言う。サカエが秋穂をにらんだ。

「怖い顔で悪かったのう。だてに107年生きとらんわ」

「え、107歳?!」

「そうじゃよ。わたしはもうすぐ107歳じゃ。お前の6倍ほど長く生きとるわい」

107歳とは思えないほど、元気そうなおばあさん。

さっきの怖い顔とは別人みたい。

「さっきは悪かったのう、怖がらせてしもうて。株が動きまわっての。ふぉっふぉっふぉ」

笑いながらサカエが言う。

芹華は苦笑い。

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