《MUMEI》 校長〜麗羅視点〜 「うるさい」 そう思ったから言っただけ。 そしたらさっきのが嘘みたいにシーンとなった。 視界に映る人間は、みなあんぐりと口を開けている。 そんなことはお構いなしに私は、眉一つ動かさず挨拶を始める。 「今日は、入学式です。 これからも初心を大切にして頑張りましょう」 思いっきり棒読み。 「新入生代表 1年3組 三島 麗羅」 隣に居た校長は目を点にしてポカーンと口を開けたまま突っ立っていた。 私が礼をしてステージから降りようと向きを変えると 校長が「終わりですか?」と尋ねてきた。 この校長、人の話聞いてたのか? どう考えても挨拶終わったし。 眉間にシワを寄せ校長に返事もせず、ステージから降りて行った。 前へ |次へ |
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