《MUMEI》
さやか
さやかと、会うことになったんだ

ケンスケのマンションに来るそうだ

まだ来てないわ、上がって待ってて

うん、おじゃましまぁす
ほら、ケンスケ

……おじゃまします

シャキッとなさいよ!

してるよ……

ユズネ、寝不足なの?ケンスケ

うん、出させてあげないって言ってるのに、触ってくるから…
私は逝かせてもらったけどね

わ、悪いことしてるわねぇ

いいの、私の一生を預けるんだもん、
少しの間ぐらい、禁欲させたって

……大丈夫?

……死にはしねーよ

ぁは、ふてくされてるわね、ケンスケ

さやかと会うのが恐いのよ

別に恐くねーよ

めんどくさいの?

そうでもねーさ、ただ………

ただ、なぁに?

………何でもねー

会話を、たちきったんだ

暫くして、さやかが来た
子供たちは両親に預けてきたそうだ

女たちが、挨拶がてら、世間話をしてた

マサカズが、お茶を出してた

さやかが俺を見たんだ

………綺麗な奥さんね

ありがとう、自慢の妻だよ
面識は、もうあるんだよね?

先日、ここで初めてなんでしょ?お会いしたわ
元気そうね、ケンスケ

まぁね、離婚したのか?

そうよ………

……俺のガキだったのか?

いきなり核心の話をしたんだ

……先に、お礼を言わせてちょうだい

お礼?……

もとの旦那がストーカー紛いのことをしててね、
私の浮気相手に仕返しするって言ってたのよ、
奥様が、退治してくださったの

ユズネが?!

聞いてないのね?

……ユズネを見たんだ

一昨日よ、イズミにも付き合ってもらったの

なんで、話さなかった?

……今はなすわ
同じことをさせろって言われたわ
勝手に胸をまさぐって、股間まで触ってきたわよ
ひっぱたいてやったわ
アンタの別れた奥さんは、ヤりたくて私の旦那と寝たんでしょ?
私はアンタとやりたくないわ、
魅力を感じないものってね

何で、言わなかったと聞いてるんだ!

怒鳴らないで……
自分がしてきたから、わかるのよね?
醜い男の性的欲望が
危険なめには、あったけど、二人きりじゃないし、
昼間の街中よ、
それに、私達の身元もわかってないわ

答えろ……

貴方の過去の事も、妻の私が責任を取らなきゃならないの……
報告しなかったのはわざとよ
この場で話したかったからよ

ごめんなさいね、不愉快な思いをさせて、
此方の勝手な要望で、奥さまに協力してもらったの
警察に、入ってもらうためよ
呼び出しても来ないし、子供たちに会おうとするのよ……
念書を書かせたわ、弁護士さんにも、来て頂いて
奥様を囮にさせてもらったわ

さやかが、そう話したんだ

………悪い、少し冷静になりたいんだ
少し、席をはずさせてもらう

そう告げ、立ち上がり、喫煙ルームに行ったんだ

タバコを吸ってるとき、ユスネが来たんだ

………貴方が出張ると、暴力になっちゃうかなって……

…………勝手な事したから、怒ってるの?

…………答えてくれないんだ?
私も、邪魔?…

……ユズネ……冷静にさせてくれよ

私が居たら、冷静になれない?

………そっかぁ……

待てよ……勝手に決めるなよ
付き合えよ

ユズネにタバコを渡したんだ

……ユズネが火を点けてた

大きく煙を吐き出したユズネが

みんなの前で、言えないけど、
そんなんで感じないし、別に触られたぐらい……
身を切らなきゃ、
でも、寝たりはしないわよ

………そんなんじゃねーよ
俺の知らないところで、ユズネが危険だったのが……

うん、でも、狙われてるよりマシよね?
何度もそんなめにあってるからかな、
未然に潰しとこうって、思ったの

………頼むから、話してくれよ

……後で、謝る
今は、さやかさんと話して

……わかったよ
もう一本、吸わせてくれよ

うん……



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