《MUMEI》 見られてた!?「私の知り合いにね、凄くモテる男の子がいるんだけどね…」 道中、須藤先輩はいきなりそんな話を切り出してきた。 「…はあ。」 全く俺と関係のない話。 先輩の知り合いなんて知る訳ないしさ。 だから、適当に聞き流す程度に聞いていた。 「その子ね、今日女の子に告白されてたの。」 「へぇ。それはそれは…羨ましいですね。」 「でもね、その男の子は全然に興味ないみたいなの。」 「…勿体ないですね。」 「しかも!告白してきた女の子っていうのが、その男の子の親友の片思いの相手だったらしくって…。」 「…………っ!!?」 身に覚えのある話。 「…見てたんですか?」 一番他人に見られたくなかったシーンだったのに。 「何事も正直が一番だよ?」 けれど、須藤先輩は俺の質問に答える事なく、ある一軒家の前で足を止めた。 「あの…?」 「送ってくれてありがとね。」 「え…?あ、はい…。」 俺は貧乏人丸出しで、その家に目を奪われていた。 「金持ちのお嬢様だったのか…。」 バイバイと手を振る先輩を見ながら、俺は一人呟いた。 前へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |