《MUMEI》
残酷な審判
「何だ……これ………。」

カルマが切り倒した無数の死骸。
一際大きい物に謎の血文字。

「【報復】………。やはりデーモン族が……」

ミツキがその血文字を読んだ。

「かつて地上の民に疎まれ、嫌われ地上から石の力で追い出されたデーモン族は地下に住むと言う。」

ミツキが呟くように言う。

「何で追い出されたの?」

「それは…………」

「それは死の審判を下せるから。」

ミツキの声に重ねるようにカルマの声。

「ま、修練を積んだ一部の奴等しか使えないけどね。」

「貴様………!」

ミツキが鎌を構える。

「別に、君たちと戦う気無いんだけど?」

笑みを浮かべてひらひらと手を振る。
敵意は無いようだ。

「僕らにかかった呪いさえ解けたら何だっていいし。」

ミツキがすっと鎌を直す。

「赤い石はもっと向こうだよ〜」

カルマは前に向き直ると意気揚々と歩き出した。

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