《MUMEI》

.




(まさか俺…なんか盛られたのか?)





「何、で…」



俺が絞り出した叫びは、実際のところ弱々しい声だった。


心底、心配そうに顔を覗き込んでくる隆之…。





自分が何かしたのに、知らん振りで








憎ッたらしい。








でも今、俺が縋れるのはコイツだけ。



しがみついてないと、死にそうだから。

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