《MUMEI》

三人で歩くと俺は悲しい気持ちになった。

「畜生…なんでだ……!」

俺は、一番小さかった。

「私が168.8で、カケルが168.3か。ふふん。勝った。」

「私は171.1だし…。真ん中で歩くのにぴったりだな。」


ハルは勿論、さっき会ったばっかのアカネすらニヤニヤしながら貶してる。

てか、でかすぎだろ!何食ってんだ!?

とか言いたいけど、言ったら全殺し確実なので俺はひたすら赤くなっていた。

「五月蝿いな!もういいだろ。」

言って一分も経たずに、もう俺は反省していた。最悪だ。

ここは、話を切り換えなければ…!


「と、ところで、アカネはなんで広場に行かなかったんだ?」

「あ、それ私も気になった。」

ハルも俺の隣で身を乗り出している。

どうやら話を切り換える事に成功したらしかった。

「…別に大した事じゃないんだけど、強くなるため。」

アカネの目が、初めの時よりも鋭くなり、俺も思わず眉間にしわを寄せていた。

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