《MUMEI》
叶わぬ夢
四人がかりだというのに、番人に傷ひとつつけられない。

『その程度では、我は倒せぬ。』

「悔しい……っ!何故当たらぬのだっ……!!」

ミツキが悔しそうに言う。

「矢が避けられる……。外れたら皆に当たっちゃうよ…。」

ゼクスの矢もまた、当たっていなかった。

「当たらないなら、一撃必中!『我は闇の制裁者。制裁と引き換えに、この身喜んで捧げよう』……!!あ〜あ、族長に怒られるな〜」

カルマの声と同時に目の前の空間が歪む。

「何してんだ!?」

レクスが叫ぶ。

『!!!?』

「デーモンの最期の一撃。地上に出る皆の夢、叶わなかったなぁ……。」

禍々しい黒い刀剣と煙が現れる。

刹那、刀剣は番人に突き刺さっていた。
黒い煙が晴れると、そこには動かない番人とカルマ。

『願え』

何処からか声がする。

『願え…!』

「……なら、俺たち四人の願いを叶えろ。」

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