《MUMEI》

言ってる意味が、よくわかんないんだけど

不愉快そうにユズネが言ってた

ユズネ、マサカズは嫌がらせなんて言わないわ、
私もよくわからないけど、聞こうよ…
……マサカズだって、ケンスケに魅了されたひとりなんだから……
ねぇ、マサカズ、もっと私達にわかるように話してくれない?

イズミの言葉に

根本から、話すよ

そう言ってマサカズが、話し出したんだ

………そうなの?、ケンスケ…

ユズネが、泣きそうな顔で俺に言うんだ

……ケンスケが、自分自身の事なのに、よくわからないと言ってるんだよ……
なんにしても、自分を押し殺してるのに違いないよ……
その歪みは必ず出てくる、それからじゃ……遅いんだ

マサカズが言ったんだ

嫌だよ、そんなに嫌だよ私!

そう叫んで、イズミが泣いてた
俺のことで、イズミが泣くのか?…

ケンスケ、自分と向き合いなよ…
ユズネに伝えなよ、
じゃなきゃ……

マサカズ、言葉を止めてた……

漠然と、マサカズの話を聞いてたけど……
……そうなのか?、俺は…

自分自身でもわからなかった
否定も肯定もなかった

なのに……
俺の中で、何かにイライラしてたんだ

僕は、悪いケンスケに魅了されたんだ…
型にハマったケンスケなんて、ケンスケじゃないよ
悪くたって、人を陥れるような悪さじゃないだろ?
裏切ったりするような悪じゃないじゃんか!……
思いのズレは、恐いよ……
ユズネは昔、それで、不眠症になったんだもんね……
ケンスケ、頼むよ、自分と向き合ってくれよ………

マサカズまで、泣きそうになってやがったんだ

俺のことに………

……なんで、そんなにみんな……

その事事態、俺を困惑させてた

訳のわからない、苛立ちと焦りみたいなものに支配されてた

何なんだ、この感情は……

その感情の招待すら、俺はわからずにいたんだ

そして、その日の夜、熱が出たんだ
物凄い高熱だった

病院に行こうと言う、ユズネの言葉を聞かなかったんだ

素直になれない、ユズネの言葉に……
何でだろう?……

身体が熱になれてきたのか、
常備薬が効いたのか、いつのまにか眠ってたみたいだったんだ……

隣にユズネの声が聞こえてた……

大丈夫?、救急車呼ぶ?……

うなされてたらしい、

ユズネが泣いてた……

……何で、俺を心配するんだ?

何を言ってるの?!

……マサカズも、イズミも、なんで泣くんだ?

ケンスケ?………

恐いよな……嫌われるのってよ

ケンスケ!

………ユズネが俺を抱きしめてた

……夢……夢を見たんだな……
ひとりぼっちに、なる夢を……

身体が震えてた……

自分に、驚いてたよ
俺は……怯えてるんだって……



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