《MUMEI》

耳を貸さない訳じゃ……

……ついでに言うとさ
イズミを付き添わせたことも、ケンスケはムカついてると思うんだよね

ひとりで行かせられないわよ!
さやかが、どんなつもりだったかもわからないのに!

うん、そうだよね、
立ち向かったことは、僕は正しいと思ってる、けど、何で勝手に?
ソコには、女たちの考えしかなかったろ?
僕やケンスケの気持ちは汲んでないよね?

…………そんなことは……

僕にも事後報告だったよね?

…………そう、だけど……

行くなら、一緒が正解さ
けど、行かないって選択しもあったろ?
ケンスケの事を思うなら、信じろよ
ユズネを、大切に思ってるなら殺しはしないよ……
前にも、あったろ?
殺すという選択肢を、ケンスケは選ばなかったの、見てるだろ?
ユズネを大切に思ってなくなったら…………わからないよね

そんなぁ………

イズミ、関係が壊れたら、女が必要とする理由すら、無意味になるよね?
ケンスケ以外の男にその身体使わせてみろ、君を殺してしまうかもしれないよ
…………僕のその、気持ちがわかるなら、
ケンスケの今の気持ち、わかるよね?
ユズネは覚悟した上で行ったんだよね?
入れられなきゃ良いって、誰が決めたの?
………ケンスケは、ユズネが決めたことならって………けど………
嫌で嫌で仕方なくて、今そう伝えてるんだよ、
女たちにも、言いたいことはあるだろうけどさ…

マサカズがそう話して、また、部屋が沈黙になったんだ



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