《MUMEI》

悪いのは、俺だよ……

そう、話を切り出したんだ

そうだね、ヤリチンだったから仕方ないよね、
けど、そんなの知ってる上でじゃんか
神様が悪戯してるのも知ってる上でだろ?
なのに、何やってんの?……
僕はそう思うよ
ケンスケは確かに悪い奴だよ、
けど、それもケンスケの魅力だろ?
力任せにレイプした訳じゃないし、女が諦めたなら、それで話は済んでるよね?
まぁ、子供の事は、また少し違うけどさ、命の事だからね……
同じ女性として、それを考えないわけないし、
そんな女なら惚れないしさ、
けど、方法が間違ってたって、思えないかなぁ?

…………必死だったの

ユズネが口を開いたんだ

ユズネ自信は、そんぐらいの事だったんだよね?
身を切らなきゃ、みたいな思いもあったと思うけど、ケンスケは嫌だと言ってるよ……

うん…………

見えてなかったんだね、ケンスケの事が

違うよ!………良くは、思わないと思ったよ………

……なら、何で?

……わからない………

ケンスケの為にしたことじゃないよね?

え?……

………すぐ、自虐的になるよね?
ユズネは……
僕と寝てたときもそうだったろ?

…………自虐的?

………めんどくさい、女だよね
まぁ、そこも、ユズネの魅力なんだけどさ、
ケンスケを痛め付けて楽しいの?

そんなこと!……

でも、痛がってるよ、現に……
ユズネはケンスケの弱点でも有るんだから……まぁ、弱点を持たない男は、つまらないけどね

んだょ、弱点って

だってそうだろ?
ユズネが痛いより、自分が痛い方が楽だろ?
それは、きっとユズネも、同じでさ、
けど、それが理由で破局なんて笑い話にならないよ、
どうすれば良いかなんて、子供でもわかることじゃんか

………どうすれば、良いの…

マサカズに、そう聞いたユズネの声が震えてた

ユズネの頬に、涙が流れてた

バカだなぁ、僕を捨ててケンスケの所へ行ったろ?
そのときの気持ちを忘れたの?
一緒にやれば良いんだよ、なんでもかんでも一緒にすれば良いだけじゃないかぁ

マサカズの言葉で、ユズネが泣き出したんだ
子供のように、うわんうわんと……

………おい、ケンスケ
大切な人が泣いてるんだぜ、なにぼさっとしてんだよ

あ………お、おう……

ユズネの肩に、そっと触れたんだ

ユズネが、俺を見た

………ごめんなさい………ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!

な、泣くなよ

ごめんなさい!!
嫌だよ、別れないからね!
別れるなら殺して!!

お、おい、ユズネ

殺してよぅ!!

叫びながら、大泣きしたユズネに驚いてた………
あたふたしながら、とにかくユズネに話し掛けたんだけど
ユズネは幼い子供のように泣きじゃくってたんだ



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