《MUMEI》 しばらく見詰め合っていた。そこで、誰かの足音が近付いているのを感じた。 「いい目だ。」 今までよりも格段に不敵な笑みだった。まるで、矢吹慶一郎と血縁が在るかの如く酷似していた。 足音は段々と此方へ近付いている。 届く距離に着く、半歩前で、広場にそいつの声が響く。 「臨戦宣言!」 その言葉と同時に近付く足音は消えた。止まった理由はほぼ反射だろう。 「周りに人は、大体居ねぇな。」 じろりじろりと周りを見渡す目には、怪しい光が灯っている。 何処かヤバ気で、狂ってる様な。 「カケル!」 ハルの声だ。 「ハルは来るな。」 朽葉の瞳は淡々と物語っている。 こいつは相当腕がたつと、直感で判断した。ハルも本能が恐怖している様でそれ以上近寄ろうとはしなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |