《MUMEI》

空「……」
一ヶ月後には手術がある。
そこで私の生死が分かれる。
きっと死ぬのだろうけれど……。

空「一ヶ月後よ」
其れでも生きたいと、完治して彼の隣に居たいと願って良いのかしら……
自分がこんなにも強欲だなんて……ね。

月「退院したら僕の気に入ってる場所連れていってあげる」
にっこりと無邪気に笑ってくる月君。

ードキンー

それに微かな動悸を感じた。

この感情は……ナニ?
親にも医者にも水沢さんにも感じた事の無いこの感情は一体何なの?

月「あっ、もう行かなきゃいけない」
何処か慌てた様子の月君。

空「何処へ行くの?」

月「嗚呼、僕の友人が今日退院なんだ」

其れで慌てているのね。

空「そう、良かったわね」
羨ましい、この病院から出られるのね……。

月「また来るから。サヨナラ」

ーツキンー

やめてもう会えないようなサヨナラは言わないで……

空「えぇ、また今度お会いしましょう」

馬鹿……
私の意気地なし…




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