《MUMEI》
アルバイト。
「バイト始めようと思うんだよね」
早々に進学先を決め、あとは卒業を待つだけになったこの夏、僕はバイトをしてみようと思った。
理由は2つ。経験を積みたいのと、ただ単にお金に困っているだけだ。
「アルバイト?先輩がねー」
「無理かな?」
千雨は何事も真っ直ぐに正直に言ってくれる。
「なんのために稼ぐのかわからないけど、晴斗先輩なら大丈夫だと思うよ」
その言葉に自信がついた。
親の知り合いが経営している本屋に決め、面接は見事に受かった。
アルバイト開始から一週間。
ようやく仕事を覚え始めた頃に、事件は起きた。

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